mirage1980

2008年11月 6日 (木)

1985

この年のことは本当を言うとあまりよく覚えていない。

3月にはひろみ郷との破局会見。涙ながらに「生まれ変わったら一緒になろうねって約束しました。」と語った。リアルタイムでは見られなかったが、それでも何度かプレイバックでは見たような気がする。

ああ、聖子ちゃんやっぱりほんとにひろみ郷とつきあってたんだ・・・

というのと

ああ、でも別れちゃったんだ・・・

というショックとも失望ともつかない複雑な感情を味わっていたように思う。

それからいくらも経たない時に神田正輝との婚約。

僕にはもう何が何だかわからなかった。恋が終わった時の石のような心、だったかもしれない。

この年、僕は一年遅れで大学を卒業し、普通の会社に就職。独身寮での新しい生活を始めた。全てが初めての生活、聖子ちゃんどころではなかった。

1985

結婚を期に聖子ちゃんは芸能活動から去ると言うことだった。山口百恵の前例から、それは「美しい引退」であると誰もが理解していた。

「引退」前最後のテレビ出演。彼女は最後に「赤いスイートピー」を歌った。

歌の終わりに少しまちがえて「ごめんなさい」とつぶやき、そして「ありがとう」と言った。

僕はもうそんな番組があることすら知らなかった。

5年間で少女は普通の人間の何倍もの仕事をし、大急ぎで大人になり、そして僕らの前から去った。

同じ頃に僕はようやく「社会人」の入り口にたどり着いたばかり、中身はいまだ子供のままだった。

これで1980年からの僕の物語は終わりにしなければならない。もちろん松田聖子の物語は続いていくのだが、僕の時計が再び動き始めるのには2008年を待たなければならなかった。


2008年10月24日 (金)

1984

この年僕も4年生になった。院に残って勉強する気など露ほどもなく、人並みに就職のことが気になっていた。

隣室の院生の先輩のところでテレビを見ていると、カネボウのCMに聖子ちゃんが出ていた。「Rock'n Rouge」。

その薬学部の先輩によれば、資生堂はCMに正統的な美人しか使わないがカネボウは親しみやすい子を使うのだとか。まあ僕の学科じゃ資生堂もカネボウも就職はないな。それにしても聖子ちゃん、目元の印象がなんか違う?

チープな紺色のスーツを着て、何となく友達にくっついて会社訪問に行ったりし始めた。最初に受けたところは面接ですぐに落ちた。

次に受けたところは最初のところとはかなり違う業種だったが、いつの間にやら通ってしまった。もう別に他を探す気もなかった。これで来年は社会人か。

Alice_in__timeland 「誰だって大人にはなりたくないよ」

時間の国のアリス

「時間の国のアリス」で永遠の少女になる宣言をした聖子ちゃんは、しかしいつの間にか同世代のモラトリアム男子とは比べ物にならない程大人になってしまったみたいだった。僕も就職活動や研究室に関心と時間を取られたせいか、聖子ちゃんの歌を聴く機会も少なくなっていった。

1984年、レーガンが再選されロン・ヤス時代は続く。

1983

この年の最初の曲は「秘密の花園」だった。

すごいミニ。うわあ、太ももが・・・

ともかく、僕はなんとか進級することができた。

夏休みだったと思うが、実家に帰ると自分の部屋(唯一ステレオのある部屋だった)に聖子ちゃんのポスターが貼ってあった。姉が買った「ユートピア」に入っている奴だった。長年の「ひろみ」ファンがLPを買うほどに、聖子ちゃんは「ひろみの恋人」として認められたのだろうか。(もちろん姉には聞けなかった・・)

僕の学生生活は夏の穂高が雨でなんにも登れなかった以外はこともなく過ぎて行った。

「天国のキッス」ではじけた後は「ガラスの林檎」だった。

Glass_apple

が〜らすの林檎たち〜

この鳥肌立つような感覚は一体なんなんだろう?

その後テレビを見ていたらアニメのペンギンが歌っていた。僕には声の主が誰かすぐにわかった。こんな声、聖子ちゃんしかいないじゃないか。

この年、聖子ちゃんはまちがいなく一つの頂点に立っていた。そして頂上というのはどこか寂しさの漂う場所だった。

1983年。カレン・カーペンター死去。ロナルド・レーガン来日。「おしん」放映。インターネットの始まり。

2008年10月 8日 (水)

1982

1982年は「赤いスイートピー」で始まった。
いい曲だなあ。でも呉田軽穂って誰?

そして聖子ちゃんカットをばっさりショートに。

ショートもかわいいよなあ。

しかし僕はそれどころではなかった。留年が親の知るところとなり、怒られたり諭されたり。ともかくなんとか大学は卒業するからという約束で、春休みは実家に戻って自動車学校に通っていた。。

2回目の2年生が始まるころには「渚のバルコニー」だった。

〜そして秘密う〜

秘密ってなんだろう。

Mermaid ・・・なの

「小麦色のマーメイド」

当時は気にしていなかったが、色白の聖子ちゃんまったく小麦色ではなかった。

僕は大学に戻って、心を入れ替えたように勉学に励んだ、

わけでもなくとにかく卒業だけはしよう進級だけすればいいと、必要最小限の単位を確保するべく必要最小限の授業に出る日々。この頃の関心事は相変わらず山とクライミングのこと、秋には穂高、屏風岩東壁にしびれていた。

僕の体たらくをよそに(もちろん何の関係もない)、松田聖子の1982年は充実していた。「赤いスイートピー」で女性ファンの心をつかみ、聖子ちゃんカットをまねしていた女の子達はショートカットにしなければならなかった。(ちなみにあのおばちゃんパーマと言われるヘアスタイルは実はダイアナ・カットだったのだ。ヤンキー達の人気をつかんだのもこの髪型のころからだった。)

「野ばらのエチュード」でFNS歌謡祭グランプリを獲得、ピンクレディーに並ぶ9曲連続オリコン1位を達成すると、12月25日には初の武道館コンサート。巨大な会場を満員にし、たった一人で歌いきった。松田聖子には素晴らしき年となった。

1982年。第一次中曽根内閣発足、ロン・ヤス時代の始まり。

2008年9月23日 (火)

1981

新人賞の年が明け、最初のシングルは「チェリーブロッサム」だった。
なんか去年とイメージ違うな。
という印象はともかく、聖子ちゃんの人気は圧倒的だった。
「聖子ちゃんカット」
「ぶりっ子」
とにかくテレビを付ければ聖子ちゃん、という状態だったような気がする。

大学1年目の下宿屋さんから、汚い安アパートに引っ越した僕の部屋には確か小さな白黒テレビが一台。こんなところにもやってくるNHKの徴収員に「白黒」料金を律儀に払っていた。
相変わらず大学にはカレーを食いに行くものの、授業の出席率は減るばかり。といって時々山登りに行く以外何をするわけでもなく、無気力とかモラトリアムという言葉を絵に描いたような日々。現代だったら引きこもりになっていたろうが、携帯もネットもない時代、自分の部屋には電話も風呂もなかった。(だから引きこもりにならなかった、か?)
大学レジャーランド論などと言われていた時代、せめて聖子ちゃんみたいな女の子との出会いを求めて、合コンでもするぐらいの元気でもあれば。だが僕の回りにはそんな気の効いた奴もいなかった。
昼はぐだぐだしていて、夜はよくラジオを聴いていた。
聖子ちゃんのDJ「夢で逢えたら」は日曜の晩だったか。日曜の夜ほど物悲しくなる時間はないものだが、そんな時間に聴く聖子ちゃんの声ときたら。
だからエンディングに「潮騒」が流れると余計に物寂しくなるのだった。

White_parasol 喉がつらいの

「白いパラソル」

テレビで聖子ちゃんを見るのは楽しみだったが、この頃は喉の調子が良くないらしく、時折声がかすれたり失敗することがあった。だから聖子ちゃんの生歌になると楽しみより心配しながら聞いていた。

この年、大学生に圧倒的に支持されたアルバムは大瀧詠一の「A LONG VACATION」だった。(はっぴいえんども松本隆も知らなかったが)

これで波に乗った大瀧詠一もラジオでDJをやっていた。確か「GO!GO!NIAGARA」だったか。オールディーズばかりかけるこの番組も良く聴いていた。1981年も後半にさしかかったある日のこと、「次にかけるのは聖子ちゃんの新曲、風立ちぬ」。なんと聖子ちゃんの曲を大瀧詠一が書いたのか!結びつかないと思っていたものが結びついた瞬間。至福のサプライズだった。

この頃には僕の留年は決定的だった。

1981年、レーガンが大統領に就任。ダイアナ妃がチャールズ皇太子と結婚。

2008年9月 3日 (水)

1980

松田聖子が「裸足の季節」でデビューした年、僕は初めて実家を離れ、隣県の大学に入学した。

大学の学業には早々に挫折、サークルの部室でたむろする時間ばかりが長い日々となった。

サークル室にあった古ぼけたラジカセからある日流れ出した歌声。

「青い珊瑚礁」だった。

その声には聞き覚えがあった。

「エクボのCMソングの子だ」松田聖子というのか。

その子が山田由紀子とは別人であることをその時認識していたかどうかはもう覚えていない。でもその声は今もはっきり覚えている。

松田聖子はあっという間にスターになった。顔も「まあまあ」可愛いし。

出す曲は全てヒット、歌以外も全てが話題になるようになった。

Photo 「おかあさ〜ん」
ザ・ベストテンで初めて一位に輝いた時のいわゆる「うそ泣き事件」

ちなみにこの瞬間はおとうさんと電話中

1980年、アメリカの大統領はジミー・カーターだった。

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