1981年の革命
最近TVを見ていたら、京都の大山崎山荘を紹介する番組に財津和夫センセイが出ていました。財津さん、かっこいいですね。こういうオトナになりたいなと思ってはいるのですが。。
財津センセイの聖子ちゃんナンバーは名曲揃い。「チェリーブロッサム」「夏の扉」「白いパラソル」のシングル三部作もさることながら、「流星ナイト」や「星空のドライブ」、「Love Song」も財津さんでした。ああ、「未来の花嫁」もですね。
そんなわけで財津センセイはチューリップ以外にソングライターとしても大家であるという印象を持っていたのですが、Wikipediaを引いてみたら確かにたくさん曲提供はされているのですが、聖子ちゃんナンバー以外ほとんど知らなかったので逆に驚きました。いや僕だけじゃないと思います。財津さんの曲で売れたのはチューリップと聖子ちゃんだけ、というと言い過ぎでしょうか。きっと聖子ちゃんに足を向けては寝てないでしょう。
それはともかく。
初期のアルバムを聴いていて、比較的苦手なのが「Silhouette 〜シルエット〜」でして。個人的な好みといえばそれまでですが。ですが、次の「風立ちぬ」との間に何か断層がある、あるいは「風立ちぬ」で一つの革命が起った、そんな風に感じています。大げさに言えば「歌謡曲」が「J-POP」に変わった瞬間ではないかと。
そういう意味では「シルエット」は革命前夜であったわけです。「SQUALL」と「North Wind」で素晴らしい仕事をした小田・三浦コンビにもさすがに疲れが見えた。例えば「Je t'aime」、ロック系のパワフルなナンバーですが、聖子ちゃんの歌は珍しいほど感情が入っていないようです。しかしこのほとんど意味不明(シュールと言ってもいいかも)の歌詞ではさすがの聖子ちゃんも感情のこめようがなかったのでしょう。「花びら」はほとんど山口百恵をパロっているとしか思えない歌詞で、これはこれでそう思って聴けば興味深いナンバーではあるのですが、反面これでいいの?という感じも拭えないわけで。そんな中では「チェリーブロッサム」と「夏の扉」の二曲が光っているのですが、それ以外の財津ナンバーはというとどうも小田・三浦コンビの不調に付き合ったような前時代的フォーク歌謡になってしまっている感があり、「白い貝のブローチ」で登場した松本センセイもまだ、その後の革命を予感させてくれません。そんなわけでアルバムトータルの印象として、聖子ちゃんどこへ行くの?という危機感を感じてしまうのです。
その危機感は「風立ちぬ」によって革命的に解消されたわけです。その革命はもちろん大滝師匠と松本センセイによって担われたということなのですが、不思議なのは財津さんがその革命をしっかり生き抜いて、「流星ナイト」や「白いパラソル」で革命後の世界の住人に成りきっていることです。カメレオンというか控えめな天才というべきでしょうか。
「風立ちぬ」のラストは「December Morning」。フォークの香りを残しながらも僕のツボの一曲。これも財津さんです。もうすぐ12月、もう滑れるところもあるようです。




